ドライマウス(口腔乾燥症) 唾液少ない
唾液成分の分泌と8種類の唾液腺の異常がドライマウスの原因
ドライマウス - 顎関節症が原因の唾液欠乏症
口が渇いて舌が痛い 口腔乾燥症(ドライマウス)の原因
顎の周囲には、多数の唾液腺が存在します。
顎関節症の原因である顎関節の位置異常により唾液の分泌を阻害していると唾液が少なくなります。
そして口の中の渇き、喉や唇の渇きを招く口腔乾燥症のドライマウスとなってしまいます。
唾液は食事中だけではなく、しゃべっている時や眠っている時などにも場合に応じて分泌され続け、口の中を唾液成分により清潔に保っています。
例えば興奮したり緊張を伴っている場合、口の中はさらっとした唾液ではなく、小唾液腺から多く分泌される、粘り気のある唾液で満たされてます。
これは交感神経優位になり唾液の分泌もそれに対応したものになっているためです。
この体内における唾液分泌のメカニズムが狂ってしまうと大変で、口内乾燥や唾液欠乏で苦しまれる場合もあります。
唾液分泌不足で唇が渇いて唇の割れも伴います。
成人では1日あたりに 1.5リットルの唾液を分泌すると言われていますが、お小水の量とほぼ同じくらいの量の唾液を1日に出しているのです。
これが滞ると、口の中の渇き、喉や唇の渇きを招いて口内乾燥や唾液欠乏となるのです。
その他鼻づまりによる口呼吸、風邪薬や鎮痛剤の服用も口内乾燥の原因になることもあります。
唾液の分泌と唾液成分
唾液腺は、大唾液腺である耳下腺、顎下腺、舌下腺と小唾液腺の口唇腺、頬腺、舌腺および口蓋腺、洗浄腺の合計8種類も備わっています。
唾液は全体の量だけではなく質も重要であり、全ての唾液腺がバランス良く働くことが、健康を維持するために大切なのです。
唾液の分泌がバランスを保てていないと、消化器系の内臓にも負担をかけることになります。
長期に渡る悪循環の場合、やがて胃痛などの内臓の不調へとつながります。
このように顎関節の位置がずれることで起こる唾液の分泌異常は、生体に大変な悪影響を及ぼしてしまいます。
特に小唾液腺の洗浄腺は食後に口の中を洗浄する役割があります。
つまり虫歯にならないように殺菌作用が働きますから、食後30~60分間は歯を磨かない方が賢明です。
この洗浄の時間を与えずに、歯磨きをするのは自然の理に反することとなってしまうので、豆知識として知っておいて下さい。
8種類の唾液腺がすべて口の周囲に存在している関係から、唇がゆがんでいると唾液腺の正常な働きが阻害されてしまいます。
ゆえに顎関節のゆがみは放置してはおけない問題なのです。
また、食いしばるくせは顎に負担をかけてしまいますが、これも顎関節のゆがみによるもので、噛合わせの異常が噛みしめる癖や歯ぎしりなどの噛み癖を招いて、さらなる口内環境不備の口内乾燥や唾液欠乏を招きかねません。
◆ 唾液の機能
- 口内の粘膜保護
- 口内細菌を抑える
- 歯の洗浄
唾液の分泌異常が引き起こす不調 (体のむくみ・味覚異常など)
口の中に食べ物が入った瞬間、あるいは食事をしようとする行為の前、食べ物を見たり想像したりするだけで、唾液の分泌が始まっています。
唾液の分泌が消化吸収から排泄にいたるまでの第一歩で、この唾液分泌→排泄までの一連の消化吸収のメカニズムが乱れると、必ずと申し上げていいほど体のむくみが起きます。
体のむくみやすい状態で口腔乾燥や唾液欠乏に陥っていると、口の渇きと喉の渇きでさらに多量の水分を補給しがちになり、むくみがさらに増すという悪循環にも陥ってしまいます。
また、顎のゆがみによる唾液の不調があると、味を感じる能力が不全になってしまいます。
味を感じる味物質は唾液に溶けることにより、舌にある味細胞の味蕾(みらい)に届いて、その情報が脳に伝えられて味を感じています。
唾液不足の状態では、味物質が溶けにくいため味蕾へと届きにくくなり、味を感じにくくなる味覚異常(味音痴)が起きるのです。
唾液不足で口が渇くと、唾液の殺菌作用が低下して口の中に様々な細菌が住み着きやすくなり、これらも味が感じにくくなる元となります。
のどの粘膜も口腔乾燥の影響で潤いが十分ではなくなり、風邪を引きやすくなる原因にもなります。
唾液の分泌を促進するためにはよく噛むことも大切なのですが、噛まないと満腹中枢への刺激も少なくなり太る原因にもなります。
ドライマウスの陰に病気が隠れていることもあり、涙が出にくいようなことも一緒にあれば「シェーグレン症候群」の可能性もあります。
ドライマウスは口の渇きが特徴としてありますが、顎関節のゆがみによる唾液不足も伴っている可能性があるのです。
顎関節症による唾液の分泌異常は、口腔乾燥症(ドライマウス)や唾液欠乏を引き起こします。