Q. 上部頚椎のズレを矯正することが大切な理由とは何ですか ?
A. 脳からの指令が滞りなく、全身へと流れることにつながるからです。
背骨の首の部分にあたる頚椎は7個あり、その中でも上から頚椎1番と2番を「上部頚椎」と呼んでいます。
上部頚椎の矯正
分かり易い説明として、上部頚椎がズレていると脊髄神経最上部が圧迫されることになります。(上図参照)
体のはたらきをコントロールする脳からの指令は、脊髄神経を伝って全身に流れていくので、上部頸椎がずれていて脊髄神経上部が圧迫されていると、脳からの指令が全身へうまく流れていきません。
またそのような状態だと、体の各部から脳への情報伝達もうまく運びません。体のどこかに異常があっても、その情報が脳にまで伝わらないのです。
すなわち、「脊髄神経へと流れる体の各部から伝わる脳への情報伝達」と「脳からの命令を体の各部に送る指令伝達」といった、生命を営んでいく上での大切な神経伝達サイクルを上部頚椎のズレが阻害してしまうのです。
上部頚椎のズレは、延髄を圧迫している。
もう少し踏み込んだ説明として、上部頚椎のズレは脳の中央部分の脳幹にある延髄を圧迫しています。
延髄は外からは見えませんが、延髄は盆の窪(ぼんのくぼ)という首と頭の後ろの後頭部のつなぎめ付近にあります。
カイロプラクティックの創始者であるB.J.パーマーが、生きている人間の上部頚椎の付近をX線に写し出して、上部頚椎が延髄を圧迫しているのを発見しました。
※ 「B.J.パーマーは人体に対して初めてX線を用いた検査をした」といわれています。生体では延髄が頸椎2番あたりまで下がっていますが、死体を解剖して分析してる解剖学では延髄は頸椎まで下がっていません。
脳と脊髄は中枢神経と呼ばれている大切なところで、神経の中でも重要な役割を担っている中心となる部分ですが、その脳の中でも最も重要な部分が脳幹部です。そのはたらきが全くなくなってしまうと脳死になるくらい、人体にとって大事な部分となります。
脳幹部には中脳・橋 ・延髄 があり、脳幹部は脳からの指令が脊髄神経へとつながる中継地点です。
この脳に出入する12対の末梢神経のことを脳神経と呼んでいます。
末梢神経とは、中枢神経から出ている神経のことで、手足や皮膚そして内臓など全身につながっています。
12対ある脳神経の中で4対の舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経が延髄から出ています。
舌咽神経 : 舌の味覚と舌骨筋・咽頭筋・耳下腺の分泌
迷走神経 : 咽頭・喉頭・気管・気管支・肺・心臓、食道・胃・腸・肝臓・膵臓・脾臓・腎臓などにつながる
副神経 : 首を動かす胸鎖乳突筋と僧帽筋・のどの喉頭筋につながる
舌下神経 : 舌の運動に関与し、麻痺すると会話や嚥下が困難になる
以上のような、ほぼ全身への神経に分布している延髄から出ている4対の脳神経を圧迫していると、体がうまく機能しないことになり、逆に上部頚椎のズレがなく延髄への圧迫がない状態であれば、体がしっかりと機能して体の不調や故障を十分に修復できることにつながるのです。
以上のようなことから、如何に上部頚椎の矯正が大切だいうことが断言できるのです。